がん治療薬の「混合診療」解禁を求める要請書
医学の進歩により、欧米では次々とがん治療の新薬が生まれています。
しかし厚生労働省の承認以前にこうした新薬を日本で使うとすれば、薬剤費のみならず、これまで健康保険が使えた治療費や検査費など全てが全額自己負担とされてしまいます。その理由は、日本では、保険診療と保険外診療とを併用する「混合診療」が禁止されているからです。
つまり有効性が立証されている薬剤がこの世に存在しているにも関わらず、日本の多くのがん患者は、経済的な理由から、こうした薬剤を試すことすらできないのです。
がんは放っておけば死に至る病です。日本人だけ医学の進歩の恩恵から取り残されているという現状を変えるため、以下の事項を厚生労働大臣に要請します。
(1)命に関わるがん治療薬に限り、アメリカのFDA(米国医薬食品局)承認薬については、日本で承認されるまでの期間、緊急避難的に、薬剤費のみ自己負担とする混合診療を認める。
(2)経済的な事情により(1)の薬剤費を払えない人のために、一定収入以下の人に対しては、救済措置を講じる。
(3)(1)の薬剤のうち、日本では未承認で、他のがん種などでの使用経験のないものについては、承認されるまでの期間、副作用などの全症例調査を製薬会社に求め、安全性の確保に努める。
(4)(1)の薬剤はアメリカでは有効性が立証されているので、製薬会社に対して、日本での申請を促し、早急に承認し、がん患者が一日でも早く通常の保険診療で使えるようにする。
厚生労働大臣 殿
平成16年12月7日、「癌と共に生きる会」会長佐藤均(出雲市小山町在住)さんと共に、尾辻厚生労働大臣へ全国から集まった「がん治療薬の混合診療解禁を求める要請書(署名)」を持って要望活動を行いました。
要請書は下記の通りです。