2月定例県議会代表質問〜ガン医療について〜
本文へジャンプ 平成18年2月28日

               
(佐々木雄三質問)

本県におけるがん医療に対する動向と県立中央病院での取り組み状況について伺う。







                

(正林健康福祉部長答弁)

がん医療についてお答えします。

 昨年6月に県内6つの地域がん診療拠点病院間でがん診療について情報交換を進めることを目的とした「がん診療ネットワーク協議会」を立ち上げたところですが、登録項目を統一しての「がん患者登録事業」を開始したほか、がん治療に関するセミナー等の開催、がん診療等に関する病院間の情報交換などを行っているところであります。今後、がん診療に関する情報提供をしてほしいという患者の声に応えるため、各拠点病院における学会専門医の数や放射線治療装置の設置状況などの情報を集約し、県ホームページ等を通じて情報提供していきたいと考えております。

 各拠点病院における取り組みとしては、島根大学医学部附属病院において、チームによるがん治療体制を一層推進するため腫瘍科の専任医師が昨年十二月に2名体制となったほか、来月からは最新の機能を備えた放射線治療装置が稼働することとなっています。また、浜田医療センターでは、昨年7月、抗がん剤の最新治療法などを学ぶため、医師1名が4週間国立がんセンターに研修派遣されております。さらに、松江赤十字病院においては、昨年6月にがん細胞の活動性が検査できる陽電子断層撮影装置、いわゆるPETが県内で初めて導入されましたが、一月当たりの検査件数も導入当初の4倍にあたる約八十件となっており、がんの早期発見に威力を発揮しています。

 県立中央病院における状況については、今年1月に、内視鏡による早期胃がん手術の技術習得を目的として、医師2名を国立がんセンターに研修派遣させたところであり、今後、がん治療に携わる医師を2名増員することとしています。また、外来での抗がん剤治療患者が増加傾向にあることから、来年度、外来化学療法室を拡充するとともに、薬剤師や看護師の専任スタッフを常駐させることとしています。放射線治療についても、今後、より副作用の少ない新しい機器の整備を行うこととしており、こうした取り組みによりがん治療に対する体制の強化を図ることとしております。

 先日、自らがん患者であり、がん患者のサポートをされている方々にお会いして、皆様からさまざまな御意見、御要望を聞かせていただきました。そのなかで、がん医療の検討の場に患者も参加させてほしいという要望がございました。患者の視点に立った医療の提供が求められていることから、今後、医療関係の会議の検討の場において、患者の声を聞いていただく機会を設けたいと考えております。

 県といたしましては、がん患者の皆様の切実な願いに応えるためにも、がん医療の推進に一層取り組んでいきたいと考えております。




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