島根県がん撲滅宣言
本文へジャンプ 平成21年9月29日 


  

「島根県がん撲滅宣言」について


                       島根県議会議員 佐々木雄三



「がん撲滅」に向けた取り組みを県民と共により一層推進するため、「がん条例」の制定と同様に、超党派で「島根県がん撲滅宣言」を提出いたしました。



1  背景

 □島根県では、がんが死亡原因の第1位であることから、全国に先駆けて平成18年9月に「島根県がん対策推進条例」を制定し、がん対策に関する施策を総合的に推進。

 □平成17年12月に全国初の「がんサロン」が益田市に開設され、現在22のサロンが県内各地で活発に活動。本年9月21日には、「第1回全国がんサロン交流会」が出雲市で開催され、「7位1体」で進める島根のがん対策は「島根モデル」とも呼ばれ注目。

 □平成19年7月からは、がんの診断・治療水準の向上のための高度医療機器を整備するため、全国初の「がん対策募金」事業を実施。この結果、島根のがん対策は着実に前進。

 □しかしながら、島根県におけるがん検診受診率は、全国に比べ、未だ高い状況にはない。

 □国においては、平成18年6月に「がん対策基本法」を制定以来、様々ながん対策を進め、この7月には「がん検診50%推進本部」を設置し、10月にはがん検診率50%達成に向けた集中キャンペーンが実施予定。

 □この機会を捉えて「島根県がん撲滅宣言」を行い、広く高まった県民のがん対策に関する熱意をさらに盛り上げ、県民一丸となったがん対策に取り組む。




2  今後の主な取り組み


 1) 受診を促進する事業

  @がん検診受診率向上のための支援

   ・休日、時間外検診促進への支援

   ・市町村が実施する住民への個人通知に要する経費を緊急雇用創出事業で助成

  Aがん検診受診促進に向けた企業との提携

    企業等と連携した啓発、受診促進事業の実施

  B女性特有のがん検診の推進

    子宮頸がん及び乳がん検診無料クーポン券配布及び検診手帳の交付


 2) 効果的な啓発を行うための体制整備

  @がん検診啓発サポーター登録(すでに実施中)

  Aがん検診啓発協力事業所の登録(すでに実施中)


 3)島根発〜「新たな医療のかたち」の事業

〜「新たな医療のかたち」として賞された「島根のがんサロン活動」を軸に、全国がんサロン交流会を契機として、島根県のがん患者・家族支援事業を全国へ発信してゆく。

   1.第1回全国がんサロン交流in島根の開催(全国初)

   2.全国のがんサロン情報誌の作成(全国初)

   3.がんサロン運営者の育成(拡充)

   4.患者・家族との意見交換会の開催(従前どおり)


 4)知ろう 語ろう がんのこと 〜 島根がん患者塾(全国初)

・県内巡回開催(年3回)   毎年継続予定

・がんの予防検診の大切さ、診断・治療や緩和ケアなどについて、医療提供者と患者・家族だけでなく全ての県民が、対等な立場でがん医療について語り合い、相互理解を深める全国初の取組み。
第1回全国がんサロン交流会と併せて、島根のがん対策向上の機運醸成 第3弾と位置づける

  *第1弾 がん対策推進条例の制定、  第2弾 がん対策募金の実施

      〔ともに全国初の取組み〕


 5)がん診断・治療機器等の整備促進

「がん対策募金」を活用し、がん診断・治療のための高度医療機器を整備


 6)地域がん登録事業

がん罹患の動向を詳細に把握し、がん対策の立案・評価に利用

精度の高い登録を実施し、効果的ながん予防・検診対策を実現する。


 7)「島根県がん対策推進計画」の見直し

肝がん対策等を盛り込むとともに、目標数値をより高く見直し、積極的に取り組む。

7位1体を具現化した島根県独自のアクションプランを作成し、全国一の年齢調整死亡率低下の目標達成を図る。



          
      
(議会にて可決後、がんサロン代表の皆様方と意見交換をおこないました)







         「島根県がん撲滅宣言」に関する決議


 我が国の平均寿命は、公衆衛生の改善や医学の進歩により急速に伸びており、今や世界一の長寿国といえるまでになった。

 しかしながら、そうした中で、がんは、依然として我が国における死因の第1位であり、年間30万人以上の国民が亡くなっている。

 また、男性の2人に1人、女性の3人に1人が、生涯のうちにがんに罹る可能性があるとされ、さらに、がんは加齢により発症リスクが高まることから、その死亡者数は、今後、高齢化の進展とともに増加していくものと予測されている。

 本県においても、がんは疾病による死亡の最大要因であり、がんによる死亡率は全国第2位、毎年約2,500人もの県民が亡くなっており、年々増加している状況にある。

 こうしたがんによる死亡をなくすためには、日常の健康管理とがんの早期発見、早期診断が何より重要である。

 県民一人一人ががん予防の重要性を認識し、生活習慣とがんとの関係についての知識を得るよう努め、がん検診を進んで受ける等がん予防に積極的に取り組むとともに、島根県においては、今後、行政、議会、がん患者を含めた県民、企業、患者団体を含めた関係団体、医療機関、大学、マスメディア等が一体となって、がん対策を強力に推進し、「がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指すことをここに宣言する。

 

 以上、決議する。

 

  平成21年  月  日

                       島

 

 【平成21年9月29日 原案可決】