各 部 長 答 弁
本文へジャンプ 平成18年2月28日

                  
                    正林健康福祉部長

 (佐々木県議質問)医療機関の連携、患者の搬送体制の充実についても伺う。

(答)医療機関の連携及び搬送体制についてお答えします。

 本県では、勤務医不足など医療を取り巻く情勢が従来にも増して厳しくなっており、限られた医療資源の中、医療機関の連携を強化して、より効率的、効果的に医療サービスを提供できる体制を構築することが、医師確保対策と並び重要な課題であると考えています。

 既に、産科医の不足が顕在化し、対策が急がれる周産期医療施設の連携については、協議会を設置して検討していたところですが、昨年の秋、周産期医療ネットワークを構築するという方針をとりまとめ、県立中央病院をその中核となる総合周産期母子医療センターに指定するとともに新生児搬送体制を充実するため、専用のドクターカーを導入することとしたところです。

 また、各圏域においても、それぞれの実情に即した医療機関の連携や患者の搬送体制などの課題について、現状把握や関係者との意見交換を行うなど検討に着手しております。

 さらに、地理的条件や医療機能によっては隣接する二次医療圏との連携、さらには県境を越えた連携を強化する必要が出てくる場合も想定されることから、先般、鳥取県との間で協議に入ったところであり、今後他の隣接県とも必要に応じ調整を図ることとしています。

 また、国においても、医療制度改革の一環として医療法改正法案が国会に提出されたところですが、改正案では、質の高い医療サービスが適切に提供される医療提供体制を確立するため、「がん、脳卒中等の疾病の治療又は予防に係る事業」や「救急医療等の確保に必要な事業」について医療連携体制を構築し、医療計画に記載することとされております。

 県といたしましては、平成十八年度から新医療計画の策定に取りかかる予定であり、その議論の中で医療機関の連携や搬送体制の充実など医療提供体制の課題について十分検討を深め、計画に盛り込みたいと考えております。

(問)本県におけるがん医療に対する動向と県立中央病院での取り組み状況について伺う。

()次に、がん医療についてお答えします。

 昨年6月に県内6つの地域がん診療拠点病院間でがん診療について情報交換を進めることを目的とした「がん診療ネットワーク協議会」を立ち上げたところですが、登録項目を統一しての「がん患者登録事業」を開始したほか、がん治療に関するセミナー等の開催、がん診療等に関する病院間の情報交換などを行っているところであります。今後、がん診療に関する情報提供をしてほしいという患者の声に応えるため、各拠点病院における学会専門医の数や放射線治療装置の設置状況などの情報を集約し、県ホームページ等を通じて情報提供していきたいと考えております。

 各拠点病院における取り組みとしては、島根大学医学部附属病院において、チームによるがん治療体制を一層推進するため腫瘍科の専任医師が昨年十二月に2名体制となったほか、来月からは最新の機能を備えた放射線治療装置が稼働することとなっています。また、浜田医療センターでは、昨年7月、抗がん剤の最新治療法などを学ぶため、医師1名が4週間国立がんセンターに研修派遣されております。さらに、松江赤十字病院においては、昨年6月にがん細胞の活動性が検査できる陽電子断層撮影装置、いわゆるPETが県内で初めて導入されましたが、一月当たりの検査件数も導入当初の4倍にあたる約八十件となっており、がんの早期発見に威力を発揮しています。

 県立中央病院における状況については、今年1月に、内視鏡による早期胃がん手術の技術習得を目的として、医師2名を国立がんセンターに研修派遣させたところであり、今後、がん治療に携わる医師を2名増員することとしています。また、外来での抗がん剤治療患者が増加傾向にあることから、来年度、外来化学療法室を拡充するとともに、薬剤師や看護師の専任スタッフを常駐させることとしています。放射線治療についても、今後、より副作用の少ない新しい機器の整備を行うこととしており、こうした取り組みによりがん治療に対する体制の強化を図ることとしております。

 先日、自らがん患者であり、がん患者のサポートをされている方々にお会いして、皆様からさまざまな御意見、御要望を聞かせていただきました。そのなかで、がん医療の検討の場に患者も参加させてほしいという要望がございました。患者の視点に立った医療の提供が求められていることから、今後、医療関係の会議の検討の場において、患者の声を聞いていただく機会を設けたいと考えております。

 県といたしましては、がん患者の皆様の切実な願いに応えるためにも、がん医療の推進に一層取り組んでいきたいと考えております。




                               
                                  広沢教育長

(佐々木県議質問)一斉学力調査の実施内容についての基本的な考え方と結果の活用方法、調査結果から指導が必要と思われる教員に対しての指導体制、今後の中高一貫教育への取り組みについて伺う。

(答)まず、小・中学校対象の学力調査の実施については、昨年四月以来、各市町村教育委員会と協議を重ねてきた結果、本年五月に共同実施することになり、現在、その準備を進めているところです。

 今回、実施する予定の「島根県学力調査」のねらいは、県内の小学校三年生から中学校三年生までの児童生徒全員を対象にして、一人一人が学習指導要領の内容をどの程度理解しているのかを、客観的かつ詳細に把握するとともに、睡眠時間や家庭学習などの生活実態調査と学習や生活の意識調査も同時に実施し、教科の学習との関連を明らかにすることであります。また、その結果を児童生徒一人一人の状態に応じた指導に生かすとともに、小中高が連携した学力向上対策に繋げることもねらいとしております。

 調査対象学年と教科につきましては、学年によって差異はありますが、小学校では、国語、社会、算数、理科の四教科を、中学校では国語、社会、数学、理科、英語の五教科を実施することにしております。

 県教育委員会としては、この調査結果を基にして、来年度、学力向上対策として、「学力向上サポート事業」や「授業力向上セミナー」等、各種の学校パワーアップ及び教員パワーアップ事業を計画しております。

 これらの事業を実施することにより、学校の指導体制の改善・強化を推進するとともに、教員一人一人の指導力の向上、授業の改善等を目指していきたいと考えております。

 また、児童生徒一人一人に対しては、その結果をもとに、目標を持って毎日の学習や生活に取り組めるようにするとともに、実態調査や意識調査の結果についても、保護者に伝えることによって、家庭における学力向上の意識改革に繋げていきたいと考えております。

 各学校においては、調査結果の中で明らかになった課題について、学校全体で改善に取り組む体制をつくるとともに、児童生徒や保護者による授業評価も取り入れるなどして、教員一人一人が指導法の工夫・改善に取り組むよう、市町村教育委員会と協力しながら、積極的に支援を行ってまいります。

 特に、支援が必要と思われる学校に対しては、指導主事を派遣して、児童生徒の実態に応じた指導の在り方の研修を行うとともに、個別に教員の相談に応じるなどの支援をしていくこととしております。

 次に、中学校と高校の連携についてであります。

 近年、一部の普通科高校と近隣の中学校との間で、英語や数学といった教科別の合同研究会を開催し、授業の相互参観や、教科指導に関する意見交換などが行われてきました。このような動きは、現在、他の学校や教科にも広がりつつあります。

 また、こうした教科指導に関する連携のみならず、県内の連携型中高一貫校の中には、学習意欲や学習習慣など幅広いテーマのもと、学校挙げて学力向上に向けた連携を行っている例もあります。今後は、中高一貫校に限らず、このような形での中高連携が県内各地域で行われるよう、各高校や市町村教育委員会に対し、積極的に働きかけてまいります。

 さらに、本年四月からの実施を予定しております「しまね学力向上プロジェクト」においても、県内外の優れた実践に学ぶ学力向上フォーラムなど、中・高の教員が一堂に会して研究・協議する場を設け、全県的な中高連携の促進・強化に努めてまいりたいと考えております。

 また、中高一貫教育についてでありますが、県教育委員会では、本年三月に「県立高校の再編成等に関する検討委員会」(仮称)を設置し、平成二十一年度以降十年間における県立高校のあり方全般について検討することとしております。その中で、併設型や中等教育学校など、これまで本県にないタイプの中高一貫教育の在り方についても、委員の方々の多様な意見をもとに、幅広い視点から検討いただく予定であります。


(問)専門校校の持つ意味と基本的な再編の方向について伺う。また、今後再編計画の実施にあたって、県関係部局・受入業界とどのような形で検討協議するのか伺う。

(答)次に、専門高校についてであります。

 まず、専門高校の最も重要な役割は、地域産業を担い、地域産業の発展に寄与する人材を送り出し、ひいてはふるさと島根の将来を担う人材を育成していくことであります。

 そのため、基礎・基本の学習はもとより、科学技術の進展や、求められる専門能力の高度化・細分化に対応した、より専門的な知識や技術・技能を習得させるとともに、社会のニーズの変化に主体的かつ柔軟に対応できる、問題解決能力や創造力を有する職業人を育成していかなければならないと考えております。

 今後の県立高校の再編成の方向については、「県立学校再編成基本計画」及び「県立学校後期再編成計画」に、その基本的な考え方を示しております。その中で、専門高校についても、生徒数の減少により学校規模がきわめて小規模になった場合、教員数の減少等により、専門高校にふさしい教育内容を提供できなくなるおそれがあることや、学校行事、部活動などが十分に行えなくなることなどから、学校規模の適正化を通して魅力と活力ある学校を作っていくため、一学年二学級となることが見込まれる場合には、原則として近隣の高校との統合を検討するとしております。 

 その際、県関係部局や関係団体、業界と十分に協議を重ねることはもちろんのこと、産業経済界や関係行政機関の関係者からなる「産業教育審議会」からいただいた「専門高校で育成すべき能力と態度について」の報告の趣旨や、先ほど述べた専門高校が果たすべき役割を十分に踏まえる必要があると考えています。 

  また、先ほど申しあげた県立高校の再編成等に関する検討委員会(仮称)の委員として、産業経済界の関係者にも加わっていただき、今後の専門高校のあり方や再編成について議論していただくともに、パブリックコメントや公聴会などを実施し、広く県民の方々から意見をうかがいながら、総合的な見地から検討を行ってまいりたいと考えています。





                               
                                山下商工労働部長

(佐々木県議質問)ニート、フリーターや雇用のミスマッチなどの課題に対し、具体的にどう対応するのか伺う

 

(答)若年者雇用対策や、雇用のミスマッチについてお答えいたします。

 若年者の雇用対策につきましては、平成十六年七月から「ジョブカフェしまね」において、情報提供から職業紹介に至る一貫した就業支援サービスを行っているところであります。

 来年度はさらに、産業人材確保に熱心な企業等一○○社を選定し、個々の企業ニーズに応じた事業をきめ細かく展開することとしており、一人でも多くの若者が県内企業に就職できるよう、県内産業界との連携を強めていきたいと考えております。

 また、ニート、フリーター対策につきましては、雇用はもとより、教育、職業訓練など多角的な観点からの取り組みが重要であり、来年度新たに庁内関係各課からなる検討会を組織し、対応策を幅広く検討してまいりたいと考えております。

 雇用のミスマッチにつきましては、再就職カウンセリングや高等技術校における職業訓練などを通して、離職者の就労支援を引き続き促進してまいります。

 特に、雇用環境が厳しい高年齢者に対しては、ハローワークに高年齢者就職相談員や雇用推進相談員を配置して職業相談を行うなど、ハローワークとの連携を図りながら雇用のミスマッチ解消に努めてまいります。

<` class=a> さらに来年度から、産業振興施策を通じて把握した潜在的求人に対して、県自ら無料職業紹介を実施するなど、さらなるミスマッチの解消を図ってまいります。





                               
                               法正農林水産部長

(問)経営規模要件の緩和を受けて、地域の実情に見合った担い手育成に今後どう取り組むのか、伺う。

(答) 地域の実情に見合った農業の担い手育成の取組について、お答えいたします。

  議員、御案内のとおり、中山間地域においては、品目横断的経営安定対策における担い手としての経営規模要件を緩和する特例が認められたことから、県といたしましても、今後、この特例をできる限り活用してまいりたいと考えております。

  本県では、従来から、地域農業の担い手である集落営農を育成するため、「いきいき集落営農推進事業」等による支援をしてまいりましたが、これに加え、新年度からは、集落のリーダーを支援し、その営農の組織化を進めるために国が実施する「集落営農育成・確保緊急支援事業」を活用するとともに、新たに、県独自で、集落営農組織が品目横断対策に取り組むための農地集積への助成や、運転資金に対する制度融資などの支援を行い、この対策の要件に該当する組織の拡大を、強力に進めてまいりたいと考えております。

 さらに、認定農業者がいなくて、かつ、地元の農家だけでは集落営農の組織化が困難な地域においては、JAと地元農家による農業経営を行う法人の設立を支援し、地域内の農地ができるだけ多く、品目横断対策の対象と

なるようにしてまいりたいと考えております。

 県といたしましては、これらのきめ細かな支援を、地域ごとに設立される担い手育成総合支援協議会において、市町村やJA等関係機関と連携して行い、中山間地域においても品目横断対策の対象となる担い手ができるだけ多く育成されるよう、取組を進めてまいります。







                               
                                濱田総務部長

(問)「県の国民保護計画」をもとに、どのような訓練を行い、県民をどう誘導し安全を確保するのか伺う。

 (答)国民保護に係る訓練についてお答えします。 

 本年一月二十日に策定した島根県国民保護計画においては、区域内の市町村とともに、国や隣接県等関係機関と共同するなどして訓練を実施し、有事の際の対処能力の向上を図ることとしております。

 来年度には、この計画に基づく初めての国民保護訓練の実施を予定しております。

 訓練の想定や内容については、今後検討してまいりますが、本県の特性である隠岐諸島からの住民避難や原子力発電所の立地等に留意しながら、これまで実施した防災訓練の手法等も参考に、実践的かつ効果的な訓練を実施したいと考えております。

 県としては、こうした訓練を重ねて実施するなどして、計画に定めた国民保護措置を迅速かつ的確に実施する対応力を高め、武力攻撃事態等における県民の生命、身体及び財産の保護に努めてまいります。

(問)集中豪雨時における防災体制の基本的考え方を伺う。

   また、危機管理を行う上で昨年の豪雨災害を踏まえ、市町村との連携をどのようにするのか伺う。

(答)次に、危機管理体制についてであります。

 県においては、住民の生命、身体及び財産を守ることを最優先として、平素からの備えや災害時の初動体制の強化など体制整備を図ることが、極めて重要であると考えております。

 県地域防災計画についても、近年の全国的な豪雨災害の多発を踏まえ、避難の目安となる特別警戒水位情報の提供など、住民避難のための情報伝達体制の強化を重点として昨年十一月に見直しを行ったところであり、市町村にも避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成や避難計画の見直しなどを求めているところです。

 合併に伴う各市町の防災体制につきましては、十五市町のうち現在、六市町が地域防災計画を全面的に見直すため県と修正協議を行っており、他の合併市町も平成十八年度までに、新たな計画の策定が予定されております。

 県としては、計画の修正協議等を通じて、本所支所間の情報伝達など一体的な体制の整備を求めていきたいと考えております。

 今後とも、市町村による各種マニュアルの作成などの支援を行うとともに、総合防災訓練やシミュレーション訓練などを通じて市町村との連携の強化を図っていきたいと考えております。






                               
                                塩川警察本部長

(問)本県での児童生徒の安全を守り、子供が被害者となる犯罪の発生を未然に防ぐため、地域を含めた取組状況と県内の子供を狙った犯罪の状況について伺う。

(答)子どもを狙った犯罪の状況と地域を含めた児童生徒の安全を守る取り組みの状況についてお答えします。

 県内の子どもが被害者となる犯罪は、昨年、七年ぶりに減少したものの、一○年前と比べ二倍に急増しております。

 特に、少女が被害に遭う性的犯罪は、昨年多発し、人口比でみると暫定値で全国ワースト一一位と高くなっております。

 今年に入っても、雲南市や出雲市で女子生徒を狙ったスプレー噴射事件が発生したほか、子どもへの声かけ、つきまとい事案が各地で発生するなど、子どもが被害に遭う犯罪の状況には大変厳しいものがあります。

 県警察では、広島県や栃木県での痛ましい事件もあり、県民に大きな不安を与えるこのような犯罪に対しては、犯人の早期検挙が不安解消のため最も重要であるとの認識の下、捜査活動を強化しており、先ほどのスプレー噴射事件も直ちに検挙解決したところであります。

 また、学校周辺、通学路等において、パトカーだけでなく、徒歩によるきめ細かなパトロールを行うなど、未然防止のための活動を強化しております。

 さらに、こうした警察活動の強化だけでなく、「地域、学校、警察」が一層連携し、一体となった取り組みが必要であることから、市町村、教育委員会、警察署の三者の職員がお互いに顔が見える形で常駐する「子ども安全センター」等を設置したところであります。

 これらの設置により、三者が持つ情報を 一カ所に集約することができ、より充実し、密度の濃い通学路の安全点検や地域安全マップの作製等が行われるようになっております。

 また、子どもへの声かけ事案等が発生したときには、「地域、学校、警察」の三者で、直ちに情報を共有し、共同でパトロールや見守り活動を行うようになるなど、設置の効果が現れてきております。

 県警察としては、引き続き、関係機関・団体と連携し、児童生徒の安全確保のための活動を徹底するとともに、「子ども安全センター」等の充実を含めた対策の強化について検討してまいりたいと考えております。




                               
                                伊藤土木部長

(問)高速道路整備効果の地域波及と今後の整備促進のため、一般有料道路にも高速自動車国道と同等の割引制度が適用されるべきと考えるが、県の考えを伺う。

 

(答)高速道路の利用促進についてお答えします。

  整備された高速道路は、より有効に活用されるべきであり、地域振興、今後の事業化や整備のためにも、利用促進を図ることが必要であります。

 本県の高速道路は、高速自動車国道と、安来道路・江津道路の一般有料道路があり、一体的に利用されているところですが、平成十六年十一月から高速自動車国道において実施されているETC搭載車に限定した通勤割引などが、一般有料道路には適用されず、利用者にとって不公平が生じているところです。

 このことから県としましては、重点要望や新会社発足時などあらゆる機会を通じて、一般有料道路についても高速自動車国道と同様の料金割引が導入されるよう、国土交通省及び西日本高速道路株式会社等に要望しているところであります。

 従来一般有料道路は、それぞれの路線ごとに債務を償還する個別償還方式が採られておりましたが、この度の民営化に伴い、高速自動車国道と一体的に機能する全国四十七路線の一般有料道路がネットワーク型として指定され、その債務を全体で管理することとなりました。

 この一般有料道路全体の債務償還は、高速自動車国道の債務償還計画に比べ、より厳しいことから、現状以上の割引は償還に支障をきたす恐れがあり、実現に至っていない状況であります。

 本県としましては、利用者の負担を軽減し、よりいっそうの利用促進を図るため、沿線市町村、利用促進協議会、経済団体などと一体となって、引き続き関係機関に地域の実情を訴え、料金割引の早期実現に向けて取り組んでまいります。




                              
                              藤原地域振興部長

(問)交流人口の拡大を定住にどう繋げていくのか、考えを伺う。

 

(答)交流人口の拡大と定住について、お答えします。

 本県の定住促進につきましては、平成四年に設立した「ふるさと島根定住財団」を活用して、各種事業を総合的に推進してまいりました。

 なかでも、UIターンを促進するため、平成八年に開始した「しまねの産業体験事業」では、約千人の体験者のうち四百六十人、家族も含めると約七百人が新たに島根に定住しておられます。

 また、田舎暮らし体験や地域住民との交流を目的とした「しまね暮らし体験事業」では、現時点で県内の延べ四十八団体が企画・実施し、県外から約七百人の参加がありました。

 これらの事業は、島根での生活を直接体験したり疑似体験していただくことによって、一人でも多く島根に定住してもらおうとするものであります。

  また昨年からは、都市住民と田舎の意義や価値を理解・共有していくことを理念とする「しまね田舎ツーリズム」の展開をスタートさせると共に、知事から島根県出身者にUターンを呼びかける手紙を送ったところです。

 先日発表された内閣府の「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」の結果でも、都市に住む五十歳代のうち約三十パーセントが「田舎での定住」を望み、また「週末は農山漁村で過ごしたい」と希望している人は約半数に上るなど、団塊の世代などの間に田舎暮らしへの関心が高いことを示しております。

  こうしたアンケートにうかがえる都市住民の意向を踏まえ、都市と農山漁村との交流や地方定住を国の施策として明確に位置づけ、積極的に取り組んでほしいと願っております。

 県としても、こうした風を的確に捉え、就業や住まいの問題などを総合的にフォローしていく新規の「島根暮らしUIターン支援事業」、本年十一月に浜田市で開催するグリーン・ツーリズムの全国大会、さらには「総力結集しまね再生事業」や「県民との協働による島根づくり事業」などを積極的に活用し、交流人口の拡大を契機とする定住を促進してまいります。

 こうした取り組みにあたっては、ご指摘のUIターンされた方々の意見やネットワークを大いに活用しながら、市町村や地元住民と連携し、より一層事業の成果を上げてまいりたいと考えております。