〜平成14年7月5日 6月定例県議会最終日〜
行財政改革調査特別委員会の調査について中間報告を申し上げます。
地方分権が本格化する中、深刻な財政危機に直面する事態にあって、今、本県においては自己決定・自己責任の地方自治の原則にふさわしい、自立的、主体的な組織機構を創造すべき重要な時期を迎えております。
また、近年の社会経済状況や国の構造改革の進展をみても、本県において従来から実施されてきた執行体制や事務事業の総点検といった小手先の改革にとどまることなく、財政の視点も含め県行政のシステム全体について大胆に改革する決意で臨まなければならないことはあきらかであります。
このような状況を受けて、本委員会は、行財政改革の推進等に関する調査を行うこととし、平成13年11月第388回定例会において設置され、以降12回にわたり執行部から説明、報告を受けるとともに、議会を含めた県の行財政改革など本委員会に付託された行財政改革の推進等に関する調査を精力的に進めてきたところであります。
折りしも本年3月、県の目指すべき姿が新行政システム推進の方向性としてとりまとめられ、本年10月には推進計画が策定されることとなっていることから、この機会を捉まえ、新行政システムの方向性に関する論点のうち「行政改革」、「行政運営の健全化」の項目について提言をとりまとめるとともに自ら変革すべく「議会改革」について結論を得たところであります。
なお、「外郭団体の見直し」については、現在、調査を進めているところであり、来る9月定例会において最終報告として提言することといたしております。
中間報告の要点につきましては次の通りであります。
@県の組織機構のあり方
A職員総定数の削減と適正な職員の配置について
B現業部門の外部委託と職員数の削減について
@財政運営における目標設定について
A歳出の効率化と質的改善について
B歳入の確保について
C職員の給料および職員手当について
@議員報酬の見直しについて
A政策決定過程への議会の関与について
(最後に)
以上、中間とりまとめに当たって、その概要を申し述べましたが、新行政システムの方向性に関し、執行部、特に農林水産部に対し厳しい注文をつけました点につきまして一言申し述べさせていただきます。
もとより農林水産部は本県の根幹をなす重要な産業であります。
しかしながら、本県の農林水産の現状は、担い手の減少や高齢化、輸入農産物の増大、BSE発生の影響など誠に厳しいものがあります。
また、先頃、本県の最重要課題である国営中海土地改良事業本庄工区について、事業中止に伴う全体の取り扱いに関する基本方針が決定され、一定のめどがつけられたところではありますが、この事業にかけたエネルギーは膨大なものであり、未完に終わった今、取り戻すことができない時間と経費は本県農林水産行政にとって計り知れない損失でありました。
我々議員といたしましても、その責任を痛感しているところでありますが、今後、新しい島根の農林水産業の振興を目指し、皆様とともに知恵を出し合いながら邁進する覚悟を新たにしているところであります。
どうか、執行部の皆様におかれましては、この難局に当たって自らの道を切り開く気概と勇気を持って取り組まれますようお願いするものであります。
併せて、調査の過程で議論した項目のうち、職員総数の削減について、早期退職職員の退職手当について臨時特例措置を定める「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」が、また議会改革について、議員報酬を削減する「議会の議員の報酬の特例に関する条例」が今定例会に提案され、さらには、職員の時間外手当削減による緊急雇用対策を実施されるなど、本委員会の提言が速やかに措置されましたことに対し、深く敬意を表するものであります。
終わりに、知事におかれましては、新行政システム推進計画の実行に当たり、本委員会の提言を踏まえ、トップダウンによる強力なリーダーシップとスピードをもって取り組まれるよう、そして、職員の皆様には、良質で効率的な行政サービスの提供者としてのコスト意識をしっかり持って、県行政の諸課題の解決に向けて果敢に取り組まれるよう要望いたしまして本委員会の中間報告といたします。
行財政改革調査特別委員長 佐々木雄三